「[」減るお金を流通させるには

1、お金をどう減価させるか

 ゲゼルのころは紙幣に減価した分の切手を付けて流通させる試みをしていた。しかし、今の時代にはこうした紙幣に切手を貼ったり、スタンプを付けたりすることは実に面倒である。また、今のお金は紙幣ではなく、電子マネーになっている。紙幣を使わないでクレジットカードを使ったり、銀行振込をした方が簡単である。

 今の増えるお金のように、減るお金を使えた方が便利であり、またそうした便利さがないと、流通も難しくなる。

 また、今の増える金をそのまま減る金に変更することはシステム的に可能である。増える分を経る分に置き換えればいいだけだからである。


2,今のお金を減るお金に買えるには

 ほとんど人は現金でもっていないで、銀行に貯金している。そこから出し入れしている。その方が安全であるし、しかも自動的に利息がついて増えるからである。
 こうした利息は金融恐慌以降はわずかであるが、バブル前には数%あったことがある。その利息が増えるのではなく、減るようにすればそのまま減価する貨幣になる。
 銀行から紙幣が出し入れされたら、現金は貯金額よりもいくらか少なくなるだけである。しかし、現金をそのままずっともっていればそのままの金額で増えない。
 減るお金でも、現金でもっていればそのまま減らないようにすればいい。

 このように、単に銀行にあずけると利息が付く分が逆に減るだけのシステムにするだけで、減るお金は実現する。

3,銀行預金をマイナスの利息にしたらどうなるか?

 銀行預金に利息が付いたのは、銀行が企業などに、預金者のお金を貸し付けるときに利息を付け、その差額で利益をあげる商売である。しかし、すべてのお金が減価することはもし企業に貸し付けたら、より多くのマイナスの利息が付き、損するだけである。そのため、銀行は企業にお金を貸し付けることはできなくなる。

 しかし、銀行は預金者のマイナスの利息分がお金の出し入れや保管料の手数料としての収入があがることになるため、企業に貸付しなくても、経営ができるようになる。

 また、そうした手数料は出し入れの際徴収することもできるので、減価するお金とは基本的に労賃や報酬ではなく、お金の発行者がその流通をさせるための力であって、一定のお金を発行する分だけ、それを一定の期限内で回収するもので、社会事業するお金を発行し、そのお金を税金で回収することと同じである。それを意志努力するような労力ではなく、お金そのものの自立神経のような自然の流れをするものである。

 そのため、銀行預金されたお金の減価分は貨幣の発行元である日銀にすべて回収されることになる。そのため、銀行は減価分すべてを毎月日銀に納めることが必要になる。こうした回収作業の手数料はその金額の大きさに比例することなく、収入印紙税みたいな段階的手数料を銀行は納めればよいだろう。

 銀行は企業などの貸し付ける業務がなくなるので、日銀からの借り入れも必要なくなる。日銀も貸し付けが必要なくなる。日銀は発行したお金や回収したお金を、国や自治体や企業や個人に調節贈与することで、お金の循環が始まる。増えるお金の場合はその回収作業を民間の銀行にまかせていたが、その回収作業は自動的に行えるので、利息をつけて延滞を防ぐ必要もない。

 こうした日銀からお金を直接贈与する場合は、企業の場合は証券会社に一任すると、企業の業績によって、その配分ができるようになるからである。

 企業は銀行からの借り入れができないため、その資金は株式を発行して資金を集めることになる。証券会社は国の研究費配分のようにNPO法人や公共的事業や将来必要なベンチャー企業などに援助金を配分する助言するような仕事もするようになるかもしれない。

 こうした援助金は最初は銀行に入るので、それは減価され、期限内に回収されるのはいうまでもない。

 また、国民は銀行にお金を預けておくと減価するので、企業の株に積極的に投資するようになるだろう。イスラム圏では利息をとることは禁止されているので、銀行は企業に投資する。企業が利益をあげれば銀行も投資した分だけ配当がもらえるが、利益がでなければ配当はもらえない。減価するお金も同じで、業績によっては減価する以上の利潤をえることができる。それは利子付き借金をしても、利子以上の収益をあげることで、企業は努力するからである。企業にとって、利子がない分、また日銀からの援助が期待される分、無理な努力をしないですむだろう。

 業績がわるくなれば、日銀の援助金はなくなるし、一般から株も買われないだろう。そうした一般人が株を買ったお金はやはり銀行に入るので、そこで自動的にそのお金は減価されることはかわりがない。その金を企業につぎこんで同じ運命を共有するかどうかだけである。

 ただ、今の株と違うのは、株は一種の会社の債券のようなもので、その価格は上がり下がりする。配当は利子にあたる。減価する貨幣の場合、マイナスの債券と同じ扱いになるので、株の価格は基本的に減価する。しかし、その会社の業績がいいと、利益配当がされるので、減価以上のお金が入る可能性がある。しかし、その株は期限内しか通用しないので、例えば最長30年で株の価値はゼロになる。株価は人気によって上がり下がりすることは、同じである。いわば、株主が企業に減価する貨幣を贈与し、その減価分また、それ以上の配当を受けられるか勝負するようなものになるだろう。

 株は減価する貨幣と連動するように変化するように、投資する商品も減価するようになると推理できる。不動産に投資した場合、その不動産を買うと、それに対して固定資産税がつく。この固定資産税が減価する分に相当するが、その税額は減価する貨幣と同じような扱いになり、その不動産の所有権は例えば30年の期限通貨と同じで、買った金額の年減価分3,3%が固定資産減価税として徴集される。その分を払えば、それからまた30年の所有権が与えられる。もし、払わなければ自動的に30年後は国に没収される。これは今の固定資産税とは違う税金がかかることになる。

 このように、個人の所有権はお金の減価率とみな連動して、無限ではなく、期限が設定され、その減価分が所有権維持税として徴集されるようになると予想される。

 どんな権利も永続するものではなく、みな減価し、更新料を払わないとその権利はなくなるようになるだろう。

 外為のような投資は相手国の貨幣が減価する貨幣かどうかが一番問題になるので、それは別の項目で検討してみたい。

 今は企業が税金や献金で国を支えてきたが、それが逆になり、国が企業を助けることになるので、企業の経費が少なくなるため、そこから作られる商品物価も安くなると思われる。

 しかも、国民が地元の企業の人気ランキングで投票するようになり、それが国や自治体がそうした企業に援助金をだせるようになるだろう。

 金利がプラスからマイナスになることで、まったく今までの力関係が逆転する。金利がプラスだと、金持ちが金を貸し出すために、金持ちにどんどん金が集まってきて、経済格差が大きくなる。しかし金利がマイナスだと、逆に、貧乏人のお金が集まり、全体的にお金がゆきわたるようになるしくみになると思える。

 また、企業にとってさらに安定した仕事ができるのはベーシックインカムが実現できることだ。すべての国民が一生涯、最低生活保障ができることになる。その財源は日銀が毎月発行でき、その回収もまた減価する貨幣になるので、回収の自動的にできるので、ハイパワーインフレはなくなる。金で金を儲ける投資熱はぐっと冷え、仕事で、公共的に人気の高いことをすることで、国からも、一般からも援助がえられるような方向性に変わってくると思われる。

 また、紙幣はICチップが組み込まれたものが発行され、そこに銀行との出入りが記入されるようになると思われる。そうすることで、その紙幣の減価分が一瞬で計算され、銀行から差し引かれることになる。また、銀行に入れずに、ずっと現金で持っていたとしても、そのICチップがあると、減価分も計算できることになるので、減価することから逃げられないことになる。

 このことから、金儲けするためには、金で金を儲けることは難しくなり、商品を通してでないと金儲けができなくなる本来の姿にもどることになると思われる。


4,金儲けから社会事業に転換する

 株は一種の債券であり、それは利息が増えること、また株の売買で儲けることが主なる目的である。しかし、プラスの利息からマイナスの利息になることは、それらはまったく目的から度外視されることになる。むしろ、金儲けしないで、金損するような方向になるということである。

 そのため、株式市場は廃止され、会社の形式はほとんどNPO法人化すうことになるだろう。NPO法人の場合、株に当たるのは口である。正式会員と賛助会員があって、お金の寄付を募るような格好になる。そして、株価があがったり下がったりすることはなく、逆に、かならず出した分は寄付金になり、それは継続することになる。いわば賛助会費になる。

 つまり、企業に対して常に参加する形になる。会員の数が増えることが企業の成長の安定になる。また、国からの援助金が毎年入るような業績をもらえることが主になる。それは金で金を儲けることではなく、いかに社会に貢献するか、困窮者をどれほど助けるかが、目的になってくる。金儲けから、人助けになる。金はそのための道具過ぎなくなるので、お金が本来の目的にもどることになり、金儲けは意味のない空虚なものになる。

 株式市場はNPO法人の賛助権(口)の売買に変わる。そして、会社の業績の情報がながれ、日々、会社の人気ランキングが開始される。そして、国による援助金の配分目安が決定されう。いわば、国民の企業投票みたいな感じになり、国はそうした国民が期待する企業に援助金を出すようになるだろう。

 日銀は貨幣の発行をして、それをプラスの利子で貸し出す。しかし、マイナスの利息になった場合、貨幣の発行と同じくらいその回収に責任をもたなければならなくなり、市中銀行に回収をまかせることはできなくなる。そのため、日銀は国の税務署と合併せざるをえなくなる。

 税務署のメインは所得税や法人税であるが、それは日銀がマイナスの利息という減価する貨幣発行をすることで、銀行から法的に、自動回収するので必要なくなる。それ以外の商品にかかる税金と消費にかかる税金などがメインの仕事になる。

 減価する貨幣と商品の税金、商品流通の税金は連動しており、お金の減価率と商品の税率の調整が一番の仕事になるだろう。それによって、経済の景気をコントロールできるからである。

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