「V」.基軸通貨の条件


1,金からドルそして国際通貨へ
 国連がしばしば世界の安全に無能な力になるのは、その国連最重要決定が常任理事国米英仏中ロの五カ国の一致したことしか行動できないこと、しかも、常任理事国は第二次世界大戦の戦勝国の軍事的抑圧力そのままになっており、今の時代情勢に合わせてないことだ。それは国際司法裁判の無力化とも関係している。

 時代は軍事力から、経済力に変化している。世界を実質的に支配しているのは金銭力であり、それは一国の資産よりも多くもっている資産家の意志がまかりとおる時代になってきている。それは金持ちの論理が世界の政治も経済も動かすようになっている。

 世界が独裁政権から民主政権に代わってきた。それを可能にしたのが法治国家である。法とは国民から選ばれた人が多数決で可決した内容である。その場合でしばしば問題になるのが、民意がそのまま法制定に反映されるとは限らないことである。選挙そのものが金権政治の色合いが強く、また、政治も党の意志が優先するので、どうしても、民意とは別の与党の総意になってしまうことである。

 しかしながら、昔の封建社会よりも、いくらか民意が反映されているとはいえるだろう。それは法が悪いのではなく、法制定の仕方が悪いといえるだろう。

 アメリカドルが基軸通貨であるということは、世界の経済の独裁政権がアメリカにあるということであり、それは民主主義でも法治世界でもない旧態以前の封建世界とかわりがない。

 世界経済の法は世界全体の地球人の総意を反映させることができてはじめて、その役割をはたすことができる。法は世界中で論議されてはじめて成立することができるものだろう。

 そのため、世界の基軸通貨はどの国の通貨にも属さないことが必要である。しかし、ヨーロッパの有志国が集まってできた共通の通貨であるユーロはいわば、参加国の中の基軸通貨であると思えるが、しかし、いまギリシャ危機がユーロ通貨そのものの危機に拡大しているため、単に共通通貨を作れば、世界は安定的な経済を維持できるとは限らない。その反省を含めた世界の基軸通貨の条件を探すことが必要である。


2,新しい基軸通貨の条件
 ドルの独裁とユーロの共通通貨危機の反省から、新しい基軸通貨がどんな姿であれば、世界経済は安定化するかである。

まずもって、
A 基軸通貨はどの国の通貨でもないこと
 基軸通貨はいわば世界中の人間の総意を表すことが必要で、ある一国の支配のための道具になってはならないからある。
B 各国通貨の発行額を規制してはならないこと
 ギリシャ危機はギリシャの国債の償還ができなくなったためである。いわば倒産国になりそうだからである。そのギリシャの国債を保有するユーロー圏の大手銀行の倒産が始まって、それがさらに波及するおそれがでてきた。それを阻止するにはユーロー圏の各国がギリシャに融資するしか道がなくなるが、しかし、それは借金を返済できるような企画と動きがなければ、無理である。今のところそんな企画は現実的に無理がある。残された道はやはり債務不履行で破産宣告しか道がないと思える。

 もし、破産した場合どのように再起するかは国際通貨基金からの借り入れをするとき、ギリシャ国内通貨を発行させ、それを借金のかたにするように、自国の経済を自立させるには自国の通貨の発行の自由が必要であるといえる。

 自国の通貨の自由は独立国家として欠かせない。もし、他国がその国の通貨を規制してしまったら、その国は他国の属国になってしまうから。

C 基軸通貨では世界の商品を買えないこと

 基軸通貨が必要になるのは、各国の通貨の両替計算のためであり、外国為替の売買で金儲けの手段にならないようにすることが大事になる。商品の価値を計る道具は一つであることが、その数字を確かにすることができる。もし、2つあったら、偽札を合法化するようなものだからだ。

 もし、各国通貨と同じように国際通貨でその国の商品を買えたら、当然、各国通貨よりも国際通貨であるドルの方が優先されてしまい、各国通貨は国際通貨ドルに隷従した通貨になってしまい、独立自由国家(日本のように)としての存続、)ができなくなるし、その国で生産された商品はみな外国の裕福な人のものになってしまう、ちょうど最貧国で栽培されたコーヒー豆のようなものである。

 それに、商品の価値を決めるお金が国内通貨と国際通貨があったら、商品も2つ必要になってしまう。商品価値を決めるのは常にその国の通貨であることが必要である。


 
D 基軸通貨は主に各区通貨の両替をするための電子通貨である

 基軸通貨は各国通貨のように各国がその通貨を発行する必要がない。各国のお金をその時のレートに変換するハカリであればいい。いわば、電子計算機のようなものが基軸通貨であればいいのである。その基軸通貨のハカリの基準をどのように決めるかは、充分論議されなければならないだろう。

 人の能力を測る指数のようなものを採用してもいいだろう。例えば、人の生活を支える主要な商品の国内総価格を比較し、その平均値を基軸通貨の価にすると、各国通貨の交換レートが計算できる。今までは世界各国の経済平均値ではなく、アメリカ一国のの経済力を基点にした基軸通貨であったために、世界各国の経済はアメリカ国内の経済事情に左右されてしまっていた。それを世界全体の経済状況に合わせた基点に換えることで、レートの不公平感はなくなると思える。

 とくに、今問題を多くしているのは基軸通貨ドルの固定相場制と変動相場制の国の差が大きくなり、しかも基軸通貨であるアメリカドルが下落しつづけていることが経済の混乱を大きくいているのである。

 E 基軸通貨は各国の経済協力を進める機能がある

 各国では飢饉や政治情勢などで、他国の無償援助が必要なところがある。富める国が貧しき国を援助することが人類全体がこの地球上での繁栄維持につながる。

 その援助をする資金を各国通貨の両替の際、トービン税にような国際協力税として、その売買先の両方に、例えば1%かければ多くの資金が集まる。その資金を飢餓国や災害のあった国や地方の国内通貨に両替して援助することができる。

 この場合は国際協力税で集まった資金額しか援助できない、もしもっと資金が必要な場合は税率をあげるしかないだろう。

 また、1%の国際協力税は各国通貨を両替する際には、その通貨のストックも必要になるので、それは不可欠な要素になる。また、こうした両替に必要な各国通貨は各国が新たに発行した通貨の数%を国際通貨の両替分として治めさせることも必要になってくる。両替には利子は一切あってはならない。もしあれば、正当な両替ができなくなり、ハカリとしての機能も失われるからである。
 F 基軸通貨は個人の所有ができない

 基軸通貨そのものは両替機能であり、また特別発行される紙幣でもないので、その所有は無理である。基軸通貨は両替をするための各国通貨のストックと飢饉に対する援助のためである。また、両替や援助のための各国通貨の利子はまったくつかないことが大事である。基軸通貨銀行自体が投資で儲けることも禁止でき、安定した両替援助機能が実現できる。

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